見ている側の生き方を問うように
2004年に放映されたテレビドラマ『黒革の手帖』、主役は女優米倉涼子で、大ヒットしました。この出演以来、米倉の元には悪女的役柄が殺到したとか。
役柄では、銀座のママとしてドレスや和服姿を自由に着こなさないといけない、衣装で魅せる場面がたくさんありました。同時に、豪華絢爛な衣装の裏側に隠された犯罪の暗闇を、ライトを浴びて輝いている衣装とは別の次元で表現しなければなりません。人間の心が秘めているこの二つの次元を、米倉涼子は実に巧みに、見事に演じきりました。
『黒革の手帖』とう今までにもよく知られた作品を演じたことによって、米倉涼子という女優が大きく開花し、マルチ対応の演技力を身につけたと思います。男と女の関係にも増して、利害が絡み合う女性と向き合って自分を表現すること、女同士の戦いをリアルな世界として描ききること、そういう視点から米倉の演じる原口元子を見ていると、わたしたちはこれからの自分の生きる道をあらためて考えさせられる思いがします。